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T社は資本金100億を超え、東京・大阪・名古屋証券取引所に1部上場しており、従業員数約300人の有名企業です。
そのT社は高年齢者雇用安定法が2006年4月に改正施行されたことに伴い再雇用制度を導入したようです。
ここまでは高年齢者の安定した雇用確保措置としてもっとも多く採用されている再雇用制度を挿入しただけの話のように感じますが、その中身に驚かされました。
再雇用を希望する場合、条件として雇用形態は嘱託、社員時代の退職金を約500万円~600万円も大幅にカットするという内容でした。
確かに再雇用制度を導入することにより人件費が一番の問題となることは、どの企業も頭を悩ますところですが、退職金カットを条件とするとは・・・何とも言えません・・・・。
当然にそのような内容で労使交渉が成立することはなく、T社は就業規則にて変更を行いました。
労使交渉が努力したにもかかわらず不調に終わった場合は、とりあえず就業規則にて変更することが特例として認められていますが、その後も労使協定締結のための協議を続けていかなければなりません。
しかし労働組合側は労働条件の一方的な不利益変更であり、労働契約法制改悪の先取り的な攻撃と判断したようです。
また退職金の大幅カットを条件にした再雇用制度は部課長を含めてT社の従業員の圧倒的多数が反対し、高年齢者雇用安定法の趣旨に反するものと考えているようです。
この間も労働組合は交渉を続けましたが、会社側に改善の意思がないことが明らかになったことにより、やむを得ず訴訟を起こしました。
その内容は、「就業規則の改定は一方的な不利益変更であり、無効である」ことを柱に「2006年4月1日以前の退職金規程の適用を受ける地位にあることの確認を求める訴え」というものです。
この訴えは現在係争中で、その結果は非常に注目されることになるでしょう。
仮にこのような形式で再雇用制度の導入が認められるとしたら、高年齢者雇用安定法の導入が遅れている中小企業等は同じような条件を取り入れる可能性は十分にあります。このことからも判決には注目する必要があるでしょう。
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