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A.基本給を基準とした退職金の計算方法は一番多く用いられてきました。
一般的には次のような計算式において退職金を算出します。
退職金額=退職時の基本給 × 勤続年数に応じた係数 × 退職事由係数
しかし近年この計算方法を見直す企業が増えています。その要因をいくつか挙げてみましょう。
退職時の基本給を基準にするということは、現時点では退職時の基本給がいくらとなっているか分からないため、将来支払う退職金がいくらとなっているか分からないということです。その分からない退職金額を支払うと約束している状態なのです。
また一般的なことですが、基本給というものは上昇し続けることが多くあります。基本給は賃金の主たる部分のため、上がることはあっても、下がることはほとんどないのではありませんか。このことは退職金額高騰の要因にも考えられます。
次に勤続年数に応じた係数の数値設定に問題が要因と考えられます。
退職金規程の最後の方に勤続年数に応じた係数表が掲載されていると思いますが、この数値を設定してから一度も見直しを行っていないケースには注意が必要です。
以下は勤続年数に応じた係数の設定例です。
この数値がダイレクトに退職金額に反映されるのです。
よってバブル期に設定されたようなケースでは、高い数値が設定されていることが予想されます。
また、保険会社等に勧められたため税制適格退職年金契約を行ったケースなども、高い数値で設定されていることが多いので必ず確認して下さい。
また、数値設定が勤続年数が長くなるほど有利となる仕組み、いわゆる右肩上がりとなっている場合も注意が必要なので確認しましょう。
上記の図のように勤続5年と10年では金額にさほど差はありませんが、25年を過ぎたあたりから急に退職金額が増える仕組みとなっているものが多く見受けられます。
これは年功序列型及び終身雇用制の影響かと考えます。
このように基本給を基準として退職金を計算する方法には問題が潜んでいる可能性があります。
現状の計算方法で在籍社員が定年退職をした場合の退職金額を算出した場合、その支給額は貴社の予想している金額を超えることになるでしょう。
これが一番の問題なのです。現状の給付水準で退職金を支払うことができるのか、その資金準備は問題なく用意できているのかを検証する必要があります。
以上のようなことから、退職金の算出の際に基本給を基準とすることが会社にとって適しているのかと疑問を持ち、見直す会社が増えているように感じます。
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